900・800・720タイプホーン部の木材について

”南洋ヒノキ”の集成材は2種類あります。普通は他のサクラ、
カエデ等の集成材と同じギザギザの継目があるもの画像@、
私共が使っているものは画像Aのものです。


家を建てる木材は長いものを使いますが家具などは180cm×90cmの板で作ります。
その時、端が30cmや50cmぐらい余ります。この木材は昔はゴミとして扱われ銭湯等で釜用に燃やしていました。銭湯が少なくなると自前で燃やしていました。しかし、燃やすとダイオキシンが出ると言われて産業廃棄物となり処分に費用がかかるようになりました。資源を大切にという事もあり自動的に集成材を作る機械ができました。
私共が使っている集成材は、丸太から角柱を切り取ると四隅の部分が余るのでそこからの木で作ったものがギザギザの無い集成材です。ほとんど手に入りません。質が高く高価です。しかし、より”ムク”板に近く見た目にも美しく仕上がります。
南洋ヒノキの集成材の外側に大変硬いフィンランドバーチを張り合わせた2層構造の材料です。2種類の異種材料を組み合わせる事により共振音を押さえ込んでいます。
画像@
ギザギザの継目があるもの
 
画像A
モリタラボで使っているもの

600タイプホーン部の木材について

新しいウッドホーン600タイプは、円形に薄く内と外を削り出しする為堅い木でなければ作れません。無垢材で作りますと、冬の乾燥で"ヒビ"が入ります。サクラ カエデ カバ ナラ カリンマホガニー等の集成材なら作れますが、ギザギザの継目は見た目に大変悪く私共の感性では趣味のオーディオの世界では使えません。3センチ程度の無垢板を3〜4枚張り合わせて作る事も出来ますがコグチ「木の断面」の部分と木目が横の部分の響きが変わります。又、木の色目も違います。エンクロージャーの中に組み込むタイプは内側だけの仕上げで外側は3〜4枚の板が張り合わせたままです。この場合は響きの違いは問題ありません。色目の違いもこれらの製品は茶色の濃い色を厚塗りにしてごまかしています。360度どの部分も同じ響きをという条件を満たすには集積材かMDFしかありません。しかしウッドホーンを作っている私共としましてはMDFの様な紙粘土の様な物は使えません。集積材には米松合板、シナ合板、カエデ合板等色々ありますが、響きが違うといっても中身は南方材の3ミリ程度のラワン材を重ねた物に0.5ミリ程度の米松やシナを張った品物。どれを取っても響きなど変わりません。集積材の中でも別格の製品があります。フィンランドバーチと言う最近出来た製品で1ミリ程度に大根をかつらむきする様に木を薄く削り交互に重ねて作るもので中身まですべて同じ木材です。日本の白樺の様な木で堅い目で大変響きの良い木材です。唯一の問題点は無垢材と同じぐらいの値段の高さです。私共は最高の製品を作る為フィンランドバーチを使いました。